ヘクタープロテクター(Hector Protector、1988年 - 2010年)は、アメリカ生まれでフランスで調教を受けた競走馬。半弟にシャンハイ、全妹にボスラシャム、甥にシーロと近親には活躍馬が多数。
戦績
1990年5月という早い時期にデビューすると、モルニ賞、サラマンドル賞、フランスグランクリテリウムという3つのG1を含む6連勝を収め、全欧2歳チャンピオンに輝いた。
翌1991年もG3フォンテンブロー賞に勝ち、G1プール・デッセ・デ・プーラン(フランス2000ギニー)に出走する。このレースでは本馬のペースメーカーとして出走した馬に不利を受けるという事態になったが、アタマ差で勝利し、デビュー以来の連勝記録を8に伸ばした。次走イギリスダービーでは距離を不安視され4番人気、結果も4着に終わり連勝はストップする。このあとはマイル路線へ進みジャック・ル・マロワ賞に勝利するが、ムーラン・ド・ロンシャン賞8着、クイーンエリザベス2世ステークス6着と精彩を欠き、このまま引退した。
年度別競走成績
- 1990年(6戦6勝)
- モルニ賞 (G1) 、サラマンドル賞 (G1) 、フランスグランクリテリウム (G1) 、カブール賞 (G3)
- 1991年(6戦3勝)
- プール・デッセ・デ・プーラン(フランス2000ギニー) (G1) 、ジャック・ル・マロワ賞 (G1) 、フォンテンブロー賞 (G3)
種牡馬
引退後は日本で種牡馬になった。産駒は自身同様早熟気味な短距離馬が多い。リース種牡馬として日本国外でも供用されており、その中からフライトステークス(オーストラリアG1)優勝馬ロイヤルパーラーが出ている。また、ノーザンファーム産のシーヴァがタタソールズゴールドカップに勝ち、日本生産馬として初の国外G1制覇を達成した。日本国内でも産駒の重賞勝利馬は複数出ているが、G1勝利は日本国外のみである。
ブルードメアサイアーとしては秋華賞を制したブラックエンブレム、中山大障害・中山グランドジャンプを制したマジェスティバイオなどを出した。
2010年5月12日、腸捻転のため死亡。22歳であった。2010年は15頭に種付けしており、これらから誕生した産駒がラストクロップとなる。
代表産駒
- 1993年産
- センターライジング(サンケイスポーツ賞4歳牝馬特別)
- エイシンイットオー(小倉3歳ステークス)
- マックスロゼ(フェアリーステークス)
- 1994年産
- リムノス(フォワ賞)
- プロモーション(クイーンステークス)
- 1995年産
- シーヴァ(タターソールズゴールドカップ)
- トップシャイアン(種牡馬、浦和・ゴールドカップ2着)
- 1996年産
- シルクガーディアン(ラジオたんぱ賞)
- 1997年産
- トッププロテクター(北九州記念)
- メジロマントル(鳴尾記念)
- 1998年産
- キタサンチャンネル(ニュージーランドトロフィー)
- 1999年産
- ロイヤルパーラー(フライトステークス)
- 2002年産
- カシマフラワー(エーデルワイス賞)
- シャーベットトーン(マーキュリーカップ)
ブルードメアサイアーとしての産駒
- 1999年産
- プリンシパルリバー 父ホワイトマズル(全日本2歳優駿、羽田盃)
- 2003年産
- アドマイヤメイン 父サンデーサイレンス(青葉賞、毎日杯)
- タイセイアトム 父サクラバクシンオー(ガーネットステークス)
- 2004年産
- ゴールドアグリ 父タニノギムレット(新潟2歳ステークス)
- 2005年産
- ブラックエンブレム 父ウォーエンブレム(秋華賞、フラワーカップ)
- 2006年産
- アイアンルック 父アドマイヤボス(毎日杯)
- 2007年産
- クォークスター 父アグネスタキオン(セントライト記念)
- マジェスティバイオ 父オペラハウス(中山大障害、中山グランドジャンプ、東京ハイジャンプ、東京ジャンプステークス)
- 2012年産
- クールホタルビ 父マツリダゴッホ(ファンタジーステークス)
血統表
外部リンク
- 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ、Racing Post
- ヘクタープロテクター(USA) - 競走馬のふるさと案内所



